企業の成長を支えるうえで欠かせない役職がCFO（最高財務責任者）です。財務データの分析や資金調達だけでなく、投資判断や経営戦略の実行など、多岐にわたる役割を担います。近年は、企業価値向上やガバナンス強化が重要視されるようになり、CFOの重要性はこれまで以上に高まっているといえるでしょう。
本記事では、CFOの役割からCEO・COOとの違い、採用方法までわかりやすく解説します。
CFO（最高財務責任者）とは？
CFOとは、企業全体の財務戦略の立案と執行を担当し、経営の意思決定を財務面から支える責任者です。Chief Financial Officerの略称であり、日本では最高財務責任者と訳されます。
CFOは資金調達や財務リスクの管理を行いながら、将来の成長を見据えた投資判断を担います。欧米ではCEOと並ぶ経営幹部として位置づけられていますが、日本では財務部長や経理部長と混同されるケースも少なくありません。
CEO・CTO・COOとの違い
CFOとそれぞれの役職の違いを見ていきましょう。
| 一般的な名称
| 主な役割
|
CFO
| 最高財務責任者
| 財務戦略・資金調達・財務管理を統括
|
CEO
| 最高経営責任者
| 経営全体の最終意思決定を行うトップ
|
CTO
| 最高技術責任者
| 技術戦略・開発領域をリードする
|
COO
| 最高執行責任者
| CEOの方針をもとに事業運営を統括
|
COOとの違い
COOは、企業の経営方針を事業現場で実行し、日々の業務を円滑に進めるための指揮を執るポジションです。CEOが示した戦略や方向性を踏まえて、各部門の調整を行いながら業務運営を管理します。事業計画を現場レベルで実行・推進する責任を負い、具体的な成果に結びつけます。
関連記事：COO（最高執行責任者）とは？CEOとの違いや役割、仕事内容を解説
CFOと財務部長・経理部長の違い
財務部長や経理部長が現場の実務を管理するのに対し、CFOは経営陣の一員として企業の将来を見据えた意思決定を行う点が大きな違いです。
例えば、財務部長は、資金繰りや金融機関との折衝、資金調達の実務など、企業経営に必要な計画を立てて、お金の流れを管理する役割を担います。経理部長は、会計処理や決算、税務申告、監査対応など、企業の数字を正確にまとめることに重点を置きます。
これに対してCFOは、これら財務・経理の実務を統括しつつ、企業価値を高めるための財務
関連記事：CxOとは？17種類の役職一覧と役割、CxO人材のスキルや採用方法を解説
CFOの役割と仕事内容
CFOは、企業の財務全体を統括し、経営判断を支える役割を担います。CFOの役割と仕事内容について、具体的に見ていきましょう。
資金調達・管理
新規事業や設備投資を実行するには、事業を継続できるだけの資金を確保しておく必要があります。資金調達には融資や出資などがあり、CFOはそれぞれに応じた準備や対応を進めます。
金融機関から資金を借りる場合は、審査に通過するための資料が必要です。CFOは、財務諸表を整理し、返済計画を具体的に示したうえで、金融機関と条件面の調整を行います。投資家から出資を受ける際は、どの投資家にアプローチするかを検討し、発行する株式の種類や数などについて調整します。
財務戦略の策定・実行
CFOは、市場環境や業績の動向を踏まえながら、中長期的な視点で資金の配分や投資先を判断します。財務戦略には、資本政策の立案と実行、調達した資金の適切な運用、事業計画に沿った予算の配分などが含まれます。また、企業規模の拡大を目的としたM&Aの検討や実行も重要な役割の一つです。
経営管理・内部統制の推進
CFOは、売上や利益、投資効果などの重要指標を把握し、経営陣が適切な意思決定を行えるように財務データを提供します。
内部統制の観点からは、企業が不正やミスを防げるように仕組みを整えることが不可欠です。会計処理のチェック体制を構築し、ガバナンスを強化して、財務情報の信頼性を高めます。コンプライアンスの徹底やリスク管理もCFOの重要な役割です。
予算管理・コストコントロール
CFOは、事業計画にもとづいて各部門へ予算を割り当て、必要な投資と無駄な支出のバランスを取りながら、企業全体の資金配分を適正化します。予算の消化状況を定期的に確認し、想定とずれが生じた場合には軌道修正も行います。
また、コストコントロールもCFOの大切な役割です。固定費や変動費を分析し、無駄が発生している部分があれば改善を促します。生産性の向上や経費削減につながる施策を経営陣と連携しながら進め、利益率の向上を目指します。
IR（投資家対応）
CFOは、投資家や株主に対して企業の現状や今後の見通しを正確に伝える役目も果たします。企業の財務情報や事業計画を分かりやすく整理し、決算説明会や株主総会などの場で説明を行います。特に上場企業では、透明性の高い情報開示が求められるため、情報を過不足なく提供し、企業価値を正しく伝えることは投資家との信頼関係を築くうえでも大切です。
CFOが企業にとって重要な理由
CFOは企業の財務基盤を支えるだけでなく、経営の方向性を左右する重要な役割を担います。市場環境が変化しやすい現在では、資金調達の判断や投資配分、ガバナンス体制の整備など、財務面から企業価値を高める取り組みが欠かせません。
CFOが企業にとって重要な理由を紹介します。
資本政策・IPOプロジェクトの推進
これから上場を目指す企業では、CFOが資本政策や資金調達、IPO準備のプロセスをリードします。適切な資本政策を設計すれば、上場までの道筋がより明確になり、外部投資家からの信頼も得やすくなります。
また、IPOに向けては、証券会社や監査法人との調整、内部管理体制の整備、財務情報の透明性向上などの課題があります。CFOはこれらのプロジェクト全体を管理し、上場基準を満たすために必要な体制を整えます。
企業価値向上を見据えたコーポレート・ファイナンス
コーポレート・ファイナンスは、資金を集めるだけの業務ではありません。企業が保有する資産にどのように資金を投じ、その結果、どれだけ将来のキャッシュフローを生み出せるかを設計することが要望されます。CFOはこの視点に立って、企業活動を数字面から総合的にマネジメントする役割を担います。
財務戦略は経営戦略と密接に結びついているため、単に決算書類をまとめたり数字を説明したりするだけでは不十分です。企業の実態を正確に把握し、過去から現在までのキャッシュフローを分析したうえで、将来の収益を大きくするための方針を示し、実行まで主導することが求められます。
グローバル化のための国際基準への対応
企業が海外市場へ進出したり、海外投資家から資金を調達したりする場合、国際的に通用する基準で財務情報を整える必要があります。とくにIFRS（国際会計基準）をはじめとしたグローバル基準への対応は、多くの企業にとって不可欠です。CFOは、このような国際基準への移行や運用を主導し、海外でも評価される財務体制を構築します。
投資家重視の財務戦略への取り組み
企業が株主価値を意識した経営へシフトしている現在、投資家の視点を踏まえた財務戦略を描くことは欠かせません。ROEやROICなど、資本効率を示す指標の改善が経営の大きな目的となり、財務面から企業価値を高める取り組みが求められています。
投資計画などの方針を定める際には、株主の期待と企業の成長戦略の両方を考慮する必要があります。こうした判断を財務面から支え、企業と投資家の信頼関係を築くためにもCFOが必要です。
CFOが求められる企業の特徴
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以下のような企業では、特にCFOが求められます。
資金調達を進めたいスタートアップ企業
事業の拡大を見据え、グローバル展開を目指す企業
デジタル化やDXを推進し、経営管理の高度化を指向する企業
M&Aや事業再編を検討している企業
ガバナンス強化や財務の透明性向上に取り組みたい中小企業
IPOを視野に入れ、資本政策の構築が必要な企業
事業ポートフォリオの見直しや投資判断が複雑化している企業
このような環境にある企業では、財務と経営を横断的に統括するCFOの存在が経営の安定と成長に大きく貢献します。
CFOに求められるスキル・経験
CFOは財務の専門家であると同時に、経営の意思決定を支える役割を担います。そのため、専門知識だけでなく、組織全体を見渡す幅広いスキルと経験が必要です。CFOに求められるスキル・経験を紹介します。
財務・会計の専門知識、法令知識
CFOには、財務や会計に関する深い専門知識が求められます。財務諸表の分析や資金繰りの管理はもちろん、会計基準や税務の正しい理解も不可欠です。また、会社法や金融商品取引法など、企業経営に関わる法令への知見も重要です。
資金調達・M&Aの経験
CFOには、資金調達やM&Aに関する実務経験が求められます。近年では、M&Aが企業成長の主要な手段として増えており、買収や合併に関するノウハウを持つ人材は非常に重宝される傾向があります。特に、数億円規模の資金調達や大型M&Aに関わった経験がある場合は、採用側から「調整力や交渉力に優れた人材」との評価を受けられるでしょう。
グローバル経験
企業の海外展開が進む中で、CFOには国際的なビジネス環境に対応できる経験が要望されます。海外子会社の管理や各国の会計基準への対応、現地投資家とのコミュニケーションなど、グローバルな視点に立って事業を推進することが期待されるのです。
また、為替リスクや各国の税制の違いを理解し、企業全体の財務戦略に反映させる力も欠かせません。海外進出を目指す企業にとって、海外拠点との調整や現地法人の管理を経験しているCFOは、グループ全体を統括できる人材として魅力的に映ります。
コンプライアンス・コーポレートガバナンスの知識
CFOの業務には内部統制の整備が含まれているため、コンプライアンスとコーポレートガバナンスの理解が欠かせません。コンプライアンスは、企業や従業員が法律や規制を遵守するための基本的な考え方です。近年は規制が強化され、企業に求められる基準もより厳しくなっています。
一方で、コーポレートガバナンスは、株主などの利益を尊重しながら企業を経営するために、内部で適切な統制が働くようにする制度や仕組みです。取締役会や監査体制を含む枠組みを整備し、組織全体が機能するための土台づくりを行います。
そのため、CFOにはコンプライアンスとコーポレートガバナンスの両方を理解し、実務に落とし込める知識が不可欠です。
戦略的思考と経営判断力
CFOには、財務データを分析するだけでなく、企業全体を見据えた戦略的な判断が求められます。市場環境や競合の動向を踏まえ、どの事業に投資すべきか、どのリスクを優先して管理すべきかといった意思決定を行います。
財務面から経営判断を支える役割であるため、数字の裏側にある事業の課題や成長機会を読み取る力が欠かせません。また、短期的な収益だけでなく、中長期的な企業価値の向上を視野に入れて方針を示すことも求められます。
リーダーシップとコミュニケーション能力
CFOは財務部門の統括者としてチームを導くだけでなく、経営陣や各部門と密に連携しながら意思決定を進める役割を担います。そのため、専門知識だけでなく、組織をまとめるリーダーシップが欠かせません。財務面の課題や提案を分かりやすく伝え、社内の理解を得ながら戦略を実行に移す力が求められます。
また、投資家や金融機関とコミュニケーションを図るのもCFOの役目です。企業の財務状況や方針を的確に説明し、信頼関係を築くことで、資金調達やIR活動を円滑に進められます。
CFOのキャリアパスや経歴
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CFOになるためのルートは一つではなく、さまざまな経歴を持つ人材が活躍しています。投資銀行で資金調達やM&Aを経験した人は財務戦略に強く、会計士として監査に携わってきた人は財務報告や内部統制に精通しているでしょう。また、事業会社で経理・財務を担当してきた人は、事業の実態を踏まえて数字を読み解ける強みがあります。
このように、多様なバックグラウンドからCFOとしてのキャリアを築く道がありますが、共通して求められるのは財務の専門知識と経営視点です。CFOや企業の幹部層を目指す場合、まずは経理の実務から経験を積み、財務の領域へと守備範囲を広げながら専門性を高めていくことが重要です。
CFOを目指すための資格は？
CFOになるために必須の資格はありませんが、財務・会計に関する専門性を示す資格を持っていると評価されやすく、キャリア形成にも役立ちます。特に以下のような資格は、CFOを目指す人におすすめです。
公認会計士（CPA）
税理士
中小企業診断士
簿記1級・2級
MBA（経営学修士）
USCPA（米国公認会計士）
ただし、これらの資格はあくまで財務・会計関連の知識を裏付けるものなので、資格以上に実務経験を積むことが大切です。
CFOの年収相場
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CFOの年収は、企業規模や業界、候補者のスキル・経験によって大きく異なります。一般的には、平均で1,500万円前後といわれますが、成長フェーズにある企業や上場企業、グローバル企業ではさらに高い水準になるケースもあります。例えば、ベンチャー企業では600～1,000万円前後ですが、大手企業になると役割や責任範囲が広がるため、年収は2,500～5,000万円程度とされます。
CFOを任命・採用する方法
CFOを任命・採用する方法には大きく分けて「社内から昇格させる方法」と「外部から招へいする方法」があります。企業の成長ステージや社員のスキル、今後の経営戦略によって、どちらのアプローチが適しているかは異なります。
社内から昇格する
社内から昇格させる場合、一般的には、管理部門での実務を経験し、部長や執行責任者といった管理職を経てCFOへ昇格するケースが多く見られます。このケースのメリットは、企業文化や事業内容を深く理解している人材をそのまま経営層として迎え入れられることです。
既に組織の状況や課題を把握しているため、業務の引き継ぎがスムーズに進み、意思決定のスピードも上がります。また、外部採用に比べてコストがかからず、他のメンバーとの信頼関係が構築されているのも魅力の一つです。
ただし、社内育成は時間がかかるため、長期的な育成計画が必要になるのがデメリットです。
外部から採用する
外部からCFOを招へいする方法は、社内にない専門性や経験を補いたい場合に有効です。採用手段としては、ヘッドハンティング・リファラル採用、エグゼクティブサーチ会社の活用などがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ヘッドハンティング・リファラル採用
ヘッドハンティングは、専門のコンサルタントが企業の要件に合う候補者を直接スカウトする方法で、高い専門性や経験を持つ人材にアプローチできます。求職者が積極的に転職活動をしていない場合でも出会えることが大きな特徴です。
リファラル採用は、経営陣や役員、関連するネットワークから紹介を受ける方法で、信頼できる候補者を見つけやすいのが強みです。企業文化との相性を判断しやすく、組織への適応性が高い人材の確保が期待できます。
関連記事：ヘッドハンティングとは？基礎知識や成功のコツ、引き抜きとの違いを解説
エグゼクティブサーチ会社の活用
エグゼクティブサーチ会社を活用する方法は、CFOのような高度専門職を採用したい場合に特に有効です。エグゼクティブサーチは、ハイレベルな経営人材の採用に特化しており、企業の要件に合わせて候補者をリストアップし、選考プロセスを通じて最適な人材を提案します。
大きなメリットとして、社内にはいない豊富な実績やスキルを持つ人材にアクセスできる点が挙げられます。また、候補者の経歴や能力を深く調査するため、採用のミスマッチが起こりにくく、短期間で即戦力を見つけたい企業に適した方法といえます。
関連記事：エグゼクティブサーチとは？採用の流れや注意点、費用などの基本を解説
CFO外部採用の課題
外部からCFOを採用する方法は即戦力を確保しやすい一方で、課題もあります。外部採用において特に注意すべきポイントを紹介します。
即戦力となるCFO人材の確保が難しい
外部からCFOを採用する際の最大の課題は、条件を満たす即戦力人材が極めて少ないことです。CFOには財務・会計の専門知識だけでなく、資金調達、M&A、ガバナンス対応、経営戦略の立案など、多岐にわたるスキルが求められます。そのため、これらを総合的に備えた候補者は採用市場でも希少な存在です。
特に急成長中の企業やグローバル展開を目指す企業では、必要となる多くの高度なスキルを持つ人材を探すのが難しく、採用活動が長引くケースも珍しくありません。
評価基準の設定が課題
CFOは財務の専門家であると同時に、経営判断の中心に立つポジションです。資金調達や投資判断、事業ポートフォリオの最適化など、企業全体を見据えた意思決定が求められるため、専門知識だけでは十分といえません。経営視点で物事を捉え、戦略的に判断できる力が必要になります。
そのため、採用時には候補者の実績やスキルだけでなく、「どの程度の経営判断ができるのか」「経営陣と同じ視点で議論できるか」などの点を見極めなければなりません。しかし、これらの能力は数値化しにくく、企業ごとに求める役割も異なるため、明確な評価基準を設定しにくいのが実情です。
経営層や関係部門と信頼関係の構築が必要
外部からCFOを招へいする場合、経営陣や他部門との信頼関係を築くまでに時間がかかることがあります。財務面の見直しや改革を進める際には、これまでの文化や慣習と衝突する場面も少なくありません。そのため、コミュニケーション力とリーダーシップは不可欠です。
特にCEO・COOとの連携は重要で、経営戦略を共有しながら財務面から意思決定を支える体制をつくる必要があります。経営陣と密に連携できる関係を構築できてこそ、CFOは本来の役割を果たせます。
CFO採用ならロバート・ハーフのエグゼクティブサーチ
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ロバート・ハーフのエグゼクティブサーチは、財務・経理をはじめとする管理部門のハイクラス人材に強みがあり、要件の整理から候補者選定までを専任コンサルタントが一貫して担当します。企業が悩みがちな「候補者の見極め」を行って「マッチング精度」を高めるため、採用のミスマッチが起こりにくいのが特徴です。
また、独自のデータベースやリサーチシステムを活用して候補者を効率的に発掘できるため、採用スピードにも定評があります。エグゼクティブサーチに1年程度かかることもある中で、ロバート・ハーフでは平均90日未満で完了できるのが強みです。
よくある質問
CFOに関するよくある質問を紹介します。
COOとCFOはどちらが上ですか？
COO（最高執行責任者）とCFO（最高財務責任者）は、どちらも経営層の中で重要な役割を担うポジションで、どちらが上という序列はありません。COOは事業運営や組織管理を統括し、日々のオペレーションを最適化する立場です。一方、CFOは財務戦略の策定や資金管理、投資判断などを担当し、企業価値の向上に直結する役割を担います。
企業の組織体制や事業フェーズ、株主構成によって、どちらの役割がより重視されるかは変わります。影響力や権限は企業ごとに異なるため、職位の上下よりも、それぞれが果たす役割や責任範囲で比較するのが一般的です。
CFO採用で失敗しないためのポイントは？
CFO採用でミスマッチを防ぐためには、財務・会計の専門性だけで候補者を判断しないことが重要です。経営判断力や戦略的思考、チームをまとめるリーダーシップなど、経営層としての総合的な視点が求められるため、幅広い観点から適性を図る必要があります。
また、企業文化や経営陣との相性も見逃せないポイントです。CFOはCEOやCOOと密に連携するため、価値観やコミュニケーションスタイルが合わない場合、意思決定のスピードに影響が出る可能性があります。過去の実績を踏まえながら、どのような場面で力を発揮してきたのかも丁寧に確認することが大切です。
採用プロセスでは、スキル・経験・適性を多角的に評価し、双方の条件をしっかりすり合わせることで、就任後のミスマッチや早期離職のリスクを抑えられます。
エグゼクティブサーチ会社を利用するメリットは？
エグゼクティブサーチ会社を活用する最大のメリットは、CFOのように市場で希少な人材を、広範なネットワークから効率的に探し出せることです。通常の採用活動では出会えない候補者にもアプローチできるため、採用の選択肢が大きく広がります。
さらに、候補者の実績やスキルを専門のコンサルタントが適切に評価したうえで推薦してくれるため、採用のミスマッチが起こりにくいのもメリットの一つです。財務や経営に関する高度な要件を丁寧にすり合わせながら候補者を選定してもらえるため、採用後のリスクを軽減できます。
また、条件交渉のサポートや入社後のフォローが行われるケースもあり、企業側の負担を減らしながら採用成功率を高められます。
まとめ
エグゼクティブサーチの相談をする
CFOは、財務戦略の立案や資金管理、投資判断などを担い、企業の成長を支える重要なポジションです。経営判断を財務面から支える役割を持つため、事業フェーズを問わずCFOの存在は企業価値の向上に大きく貢献します。
CFOを採用する方法には、社内から昇格させるケースと、外部から即戦力を招くケースがあります。特に、IPO準備やM&Aなど専門性の高い業務が必要な企業では、外部から経験豊富な人材を採用する方法が有効です。
ロバート・ハーフは、外資系・日系グローバル企業を中心に、経営幹部・管理職クラスの採用支援に豊富な実績があります。経営課題や組織の成長フェーズに合わせて最適な人材を提案できる体制を整えており、CFOをはじめとするエグゼクティブ層の採用にも強みを持っています。採用活動のことでお困りでしたら、ぜひご相談ください。
■アドバイザー
アンドリュー・サイパス ｜ エグゼクティブサーチ マネージングディレクター
人事、財務・会計、テクノロジー、セールス、マーケティング、オペレーション分野で、国内外のVPや経営幹部クラスの紹介実績を持つ。11年以上にわたるリテインサーチ経験を活かし、機密性の高いマーケットマッピングから変革を担うリーダーの紹介まで、採用における重要課題に対応。企業のストーリーやビジョンを深く理解し、候補者に丁寧に伝えるアプローチを行っている。
