外資系企業への転職を目指すなら、語学力や専門スキルなど自分の能力を客観的に示せる資格の取得が重要です。特に外資系では専門性を求められることが多く、資格は大きなアピールポイントになります。
本記事では、外資系企業への転職に役立つ資格を紹介します。必要なソフトスキルと転職を成功させるコツも参考にしてください。
外資系企業の転職に資格は必要?
外資系企業へ転職する際に資格は必須ではありませんが、スキルや知識力を客観的に証明できるものとして大きなアピールポイントになります。語学力を採用条件としている外資系企業は多く、レベルを示すのに有効です。また、専門性の高い職種では、業務に直結する資格を持っていることで信頼性が高まり、選考で有利に働くことが期待できます。
外資系企業は即戦力となる人材を重視する傾向があるため、実務経験もアピール材料となりますが、資格があるとより説得力を持ってスキルを示せるでしょう。
関連記事:外資系企業ってどんな感じ?転職するメリットや実態を徹底解説
外資系企業の転職に役立つ資格10選
外資系企業の転職に役立つ資格を紹介します。業界ごとの需要の高いスキルや資格は、ロバート・ハーフの年収ガイドもご覧ください。
業界・職種問わず役立つ資格
特定の業界や職種に限らず、外資系全般に使える資格を取得しておくと便利です。まずは、英語力を証明する語学系の試験や、世界で通用するビジネス系の資格を紹介します。
TOEIC・TOEFL・IELTS・英検
TOEIC・TOEFL・IELTS・英検は、英語スキルを測定する試験です。外資系企業は日常的に英語を使用するため、採用時の指標としてTOEICやTOEFLのスコアを求められることがあります。
外資系企業に必要なそれぞれのスコアの目安は、以下の通りです。業務内容によって求められるレベルは変わります。
英検にはスコアの有効期限がなく、取得後は生涯にわたって活用できます。英検以外のスコアは2年の有効期限がありますが、その分信ぴょう性が高いのが特徴です。
関連記事:外資系企業で必要な英語力は?業界・職種別の目安、転職対策を解説
資格
| クライアントが日本企業で、英語を使うのは社内でのやりとりのみの場合
| 海外本社やクライアントとのやりとりで英語を使う場合
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TOEIC® L&R
| 605点以上
| 860点以上
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TOEFL iBT®
| 55点以上
| 80点以上
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IELTS™
| 5.5以上
| 6.5以上
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英検
| 準2級以上
| 1級
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経営学修士(MBA)
経営学修士(MBA)は、資格ではなく経営学の大学院修士課程を修了した人に授与される学位です。経営戦略・マーケティング・ファイナンスなど幅広い分野を体系的に学ぶ必要があります。実務経験を持った社会人が目指すことも多く、課程を修了すると知識を兼ね備えた即戦力として評価されます。特に管理職や経営幹部を目指す人にはおすすめの資格です。
PMP®(Project Management Professional)
PMP®(Project Management Professional)は、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が認定している国際資格です。プロジェクトの計画から実行、完了までの管理スキルを証明できます。プロジェクトマネジメントの実務経験と公式研修の受講が受験資格として求められるため、実務スキルの裏付けにもなります。
関連記事:プロジェクトマネージャー(PM)とは?役割・仕事内容や年収を解説
経理・会計・財務の職種で役立つ資格
外資系企業ではグローバル基準に対応した資格を取得しておくことで、即戦力としての評価が高まり、転職活動を有利に進めやすくなります。経理・会計・財務の職種で役立つ資格を見ていきましょう。
関連記事:スキルの高さを証明する会計資格
米国公認会計士(USCPA)
米国公認会計士(USCPA)は、アメリカの公認会計士資格ですが、世界的に認知度の高い国際資格ともいえます。財務会計や監査、アメリカの税法などの専門知識が証明できるほか、英語で受験するため、語学力もアピールできます。
公認財務アナリスト(CFA®)
公認財務アナリスト(CFA)は、金融・投資分野で世界的に評価される国際資格です。アメリカのCFA協会が認定している資格で、「米国証券アナリスト」とも呼ばれています。財務分析・投資評価・ポートフォリオ管理など、金融に関する深い知識が証明できます。認定されるには、英語で行われる3段階レベルの試験の合格に加え、実務経験も必要です。
日商簿記検定
日商簿記は日本国内でもっとも認知度が高い会計系資格です。外資系企業でも、日本法人の会計業務を担う際には、基礎的な会計知識があることが求められるため、有効な資格となります。特に簿記2級以上を持っていれば、企業の経営状況を分析できるレベルと判断されます。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎から応用までのスキルを証明できます。日本の国家試験ではあるものの、論理的思考や幅広いIT知識を有する証明として、外資系企業でも一定の評価を得られます。
基本情報技術者試験では、アルゴリズムやプログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの基本知識が問われ、応用情報技術者試験では、より実践的なIT戦略やプロジェクトマネジメント、システム開発手法まで踏み込んだ内容が問われます。そのため、基本情報技術者試験から取り組むのがおすすめです。
プロフェッショナルエンジニア(PE)
プロフェッショナルエンジニア(PE)は、アメリカのの州ごとに設けられている国際的な資格です。数学や電気など工学一般の知識、技術に関する倫理観、専門分野での実践力を証明できます。取得にはFE(基礎試験)とPE(実務試験)の合格が必要で、日本国内でも受験が可能です。アメリカで使用する場合は、実務経験も必要となることがあります。
AWS認定資格
AWS認定資格は、Amazonが提供するクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の知識や技術力を証明する資格です。ネットワーク、開発、データ分析などの専門分野と複数のレベルに分かれています。実務に直結する内容が多く、AWSを導入している企業ではニーズの高い資格です。
シスコ技術者認定資格(CCNA)
シスコ技術者認定資格(CCNA)は、Cisco Systems社が提供するネットワーク関連の知識と技術があることを証明する資格です。セキュリティ、サービスプロバイダー、設計などITの分野ごとの基礎的な知識とスキルを、レベルに応じて証明できます。シスコの製品を使用する企業であれば即戦力として歓迎されることが多く、転職に役立つ資格です。
論理的思考力
外資系企業では、自分の意見や提案を論理的に伝える力が非常に重要です。クライアント企業は、経営問題など大きな課題の解決を依頼してきます。また、社内でも異なる文化を持つ人材が多くいます。会議やプレゼンでは感覚ではなく、データなどで根拠を明確にしながら論理的に説明することで、さまざまな人の理解を得る力が必要です。
コミュニケーション力
英語力はもちろんのこと、相手の立場や背景を理解しようとするコミュニケーション力も必要です。異なる文化的背景を持つ人材の多い外資系企業では、価値観や仕事の進め方が人によって異なることも多く、丁寧な意思疎通が不可欠です。海外本社やクライアントなどとやりとりをすることもあり、英語での電話やメールのマナーも知っておく必要があります。
柔軟性
外資系企業では、組織体制や業務内容が短期間で大きく変わることも珍しくありません。成果主義であるため、年齢や肩書きに関係なくリーダーが決まるケースもあります。そのため、自分より若い人の下で働くことになったり、急なプロジェクトの立ち上げが発生したりしても、迅速かつ前向きに対応できる柔軟さが重要です。
自発性
外資系企業は成果主義であり、指示を待つだけの受け身的なスタンスは評価されません。業務を円滑に進めるためには、上司の細かい指示がなくても自ら仕事を見つけてゴールに向かって動ける自発性が必要です。会議の場でも発言をしたほうが主体性があると見なされ、評価につながります。
自己アピール力
実績やスキルをしっかりと言語化し、自信をもって伝える力も外資系企業では重要です。日本の職場文化では謙遜が美徳とされがちですが、外資系企業では自分の成果を適切にアピールしなければ評価につながりません。
外資系企業に転職するためのポイント
外資系企業に転職するためのポイントを紹介します。
業界・企業で求められるスキルや経験を調査する
外資系企業へ転職するには、まず応募先の業界や企業がどのようなスキルや経験を重視しているかを把握することが重要です。自分自身のキャリアやスキルを棚卸しして、どのような実績があるのかを整理し、求められるスキルと照らし合せてみましょう。
足りないスキルがある場合は、どのように補うか計画を立てておくことが必要です。もしくは、向いていない仕事の可能性もあります。外資系企業はさまざまな業界があるため、幅広く探すとよいでしょう。
語学力・専門性を高める
外資系企業では、ビジネス英語が使えることは基本条件の一つです。社内外のコミュニケーションに英語を使用する場面が多いため、TOEICやTOEFLなどで一定のスコアを持っているとアピールポイントになります。面接で自分の強みを英語で的確に伝えられるよう準備しておくことも大切です。
また、業務に直結する専門スキルや知識がある人材は高く評価されます。自分の専門分野で使われる英語表現や用語を理解し、実践で使えるようにしておきましょう。英語力と専門性の両方を兼ね備えていることで、即戦力としての価値が高まります。
外資系に強い転職エージェントに相談する
転職の相談をする
外資系企業への転職を成功させるためには、外資系に精通した転職エージェントの活用が効果的です。転職市場の動向や求職者の市場価値など客観的な視点を踏まえながら、スキルや価値観とマッチした企業を紹介してもらえます。非公開求人も用意されているため、転職サイトでは見つからなかった企業に出合えることもあるでしょう。
また、エージェントは企業ごとの選考傾向や英語面接の対策にも詳しく、応募書類の添削や模擬面接などのサポートも受けられるのもメリットです。
まとめ
履歴書を提出して、転職の相談をする
外資系企業への転職では、語学力や専門スキルに加え、即戦力としての経験や主体性が重視されます。資格でスキルを可視化し、自分の強みを明確にアピールしましょう。
ロバート・ハーフは、外資系・日系グローバル企業に特化した転職エージェントです。外資系企業への転職を検討されている方は、ぜひご利用ください。
■アドバイザー
安西 力哉 | ビジネスリレーションシップマネージャー
約5年間の投資銀行での実務経験を経て、金融領域に特化したリクルーターとしてキャリアを築き、現在はロバート・ハーフのストラテジックアカウントチームに所属。人材業界で7年以上の経験を有し、クライアントと社内チームの橋渡し役として、採用課題のヒアリングから最適な人材ソリューションの提案までを一貫して担っている。
人生の半分をカリフォルニア、半分を日本で過ごした経験から、日英のバイリンガルとして両文化を深く理解し、国内外のクライアントの多様なニーズに応える、きめ細やかなサービスを提供している。
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