目次
- 外資系企業とは?
- 外資系企業に向いている人の特徴
- 外資系企業に向いていない人の特徴
- 外資系企業に向いているか診断チェックリスト
- 外資系企業に就職するためには?
- よくある質問
- まとめ
外資系企業で働くのに向いている人は、主体的に行動でき、成長意欲の高い人です。一方で、安定した環境を求める人や成果よりもプロセスを重視している人には向いていません。
本記事では、外資系企業に向いている人の特徴や、評価される人材について解説します。
外資系企業とは?
外資系企業とは、日本に設立された企業のなかで、外国資本が一定の割合を占めているものを指すのが一般的です。明確な定義はありませんが、以下のような形態が含まれます。
海外企業の100%子会社として設立された日本法人や、海外企業に買収された日系企業:M&Aを通じて日本企業の株式や経営権が海外企業に取得されるケース
海外企業と日本企業が共同出資した合弁企業:両国企業の強みを活かすために、パートナーシップとして設立されるケース
海外企業の日本支社:海外企業が日本市場進出のために直接設立するケース
外資系企業の特徴については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:外資系企業ってどんな感じ?転職するメリットや実態を徹底解説
外資系企業と日系企業の違い
外資系企業と日系企業の大きな違いは、外資系は社員の自主性が重んじられることで、日系は会社が社員を育てる文化があるという点です。それが成果主義や年功序列制度という評価方法、福利厚生の充実度、職場の雰囲気にも影響しています。
外資系企業でも、日系企業に近い社風や雰囲気の企業もあり、日本人社員の割合も企業によってさまざまです。就職を考える際には、自分のスタイルに合っている企業か確かめましょう。
項目
| 外資系企業
| 日系企業
|
給与
| 年俸制が主流で成果に応じた報酬が支払われる
| 月給制が中心で安定している
|
働き方
| 意思決定が早く自主性を重んじる
| 合意形成を重視し、意思決定に時間をかける傾向
|
昇進・昇格
| 個人の成果や実績で評価する成果主義
| 個人の成果の他に、勤続年数によって評価が変わる年功序列制度を導入していることも多い
|
職場の雰囲気
| ワークライフバランスを重視し、ビジネスライクでドライな傾向がある
| チームワークを重視し、人間関係や一体感を大切にする傾向がある
|
外資系企業に向いている人の特徴
外資系企業に向いている人の特徴を紹介します。
主体的・積極的に行動できる
日系企業では、多くの社員を同じように育成していくための環境が用意されています。一方、外資系企業では社員一人ひとりに大きな裁量が与えられ、自ら考えて動く力が求められるのが特徴です。
中途採用が中心であるのもそのためで、即戦力としてすぐに成果を出せる人材が重視されています。少数精鋭のチーム構成であることが多く、上司の指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、必要な行動を考えてスピーディに実行に移すことが期待されます。
成果が数字で出せる
外資系企業では、業務の成果や実績を数字で出せる人が高く評価されます。たとえば「売上を前年比で20%向上させた」「プロジェクトの納期を3週間短縮した」といった成果です。数字による明確な目標があると意欲的になれる人に向いているでしょう。
英語力とコミュニケーション力を磨いている
多くの外資系企業では英語が事実上の社内公用語となっており、業務で使用する資料やシステムも英語表記が一般的です。とくにマネージャー以上のポジションでは、海外本社や外国籍の上司とのやりとりが発生するため、ビジネスレベル以上の英語スキルが必要になる場合もあります。
また、外資系の職場にはさまざまな国籍や文化的背景を持つ人が在籍しており、価値観の違いを理解しながら意思疎通を図るコミュニケーション能力も重要です。自分の考えを的確に伝えることはもちろん、相手の言葉の裏にある意図をくみ取る力も求められます。
自己アピールがきちんとできる
日本では謙虚さが美徳とされ、あまり前に出すぎない姿勢が評価されることもありますが、外資系企業はこの文化と対照的です。成果主義をベースとした評価制度では、自分の仕事ぶりや実績を適切にアピールすることが評価につながります。
評価面談の場でも遠慮は不要です。過剰な主張は受け入れられませんが、実績を正しく伝えることで、昇進や昇給のチャンスにつながります。自分を過小評価せずに発言する姿勢が求められます。
柔軟な対応力がある
外資系企業では、急な方針転換や突発的な対応を求められる場面が少なくありません。とくに海外本社からの経営判断が、日本支社の事業戦略や業務内容に直接影響を与えるケースは多々あります。
こうした環境では、前例や既存のやり方にこだわるのではなく、状況に応じて柔軟に方向性を切り替える姿勢が必要です。また、外資系企業は短期間のプロジェクトも多く、方向性の決定から実行までのサイクルが短いのが特徴です。状況に応じて判断し、柔軟に行動できる人が重宝されます。
スピーディーなキャリアアップ志向が強い
外資系企業では短期間のプロジェクトが多いことから、成果を出せばスピーディーにキャリアアップでき、モチベーションにもつながるでしょう。ポジションごとに求められる役割がはっきりしているため、与えられた業務を確実にこなしていくことがキャリアアップに直結します。また、普段の業務とは別に新しいスキルや知識の習得を積極的に行い、得意分野を明確にしておくことも大切です。
リーダーシップがある
外資系企業では、肩書きや年齢に関係なく、リーダーシップを持って行動できる人が高く評価されます。必ずしも管理職である必要はありません。プロジェクトの推進力や、チームのモチベーションを高める姿勢がリーダー的な存在として認められます。外資の多くはフラットな組織構造であるため、リーダーとしての主体性や責任感がより重要です。
外資系企業に向いていない人の特徴
外資系企業は日系企業とは異なる特徴を持つ職場のため、すべての人にとって働きやすい環境とは限りません。外資系企業に向いていない人の特徴を紹介します。
自己主張に苦手意識がある
外資系企業では、自分の考えや意見を明確に伝える姿勢が重視されます。会議や評価面談などの場面では、黙っているよりも、しっかりと自己主張できる人が評価されやすいです。制度に従うほうが楽であると感じる人にとっては、最初は戸惑うこともあるでしょう。
安定した環境で働きたい
外資系企業では、異動や中途採用が比較的頻繁に行われるため、チームや組織の構成が短期間で変化することがあります。また、経営判断のスピードが速く、本社の意向によって方針が大きく変わることも少なくありません。そのため、長期的に同じ部署や役割で安定して働きたいと考える人にとっては、環境の変化が負担に感じられることもあるでしょう。
日系企業のような終身雇用や年功序列といった安定を求めている人には向いていません。努力のプロセスよりも結果が重視されることが多く、勤続年数を重ねれば自然と昇進・昇給できるといった考え方とは相性が合わない場合があります。
数字や成果よりも過程を評価してほしい
外資系企業では、努力やプロセスは評価の補足要素にすぎず、最終的な数字や成果が評価の判断基準になります。この評価方法は、シンプルで公平性がある一方で、プチームで協力しながら少しずつ成長したい人にとっては、プレッシャーに感じられることもあるでしょう。
外資系企業に向いているか診断チェックリスト
外資系企業で働くには、日本企業とは異なる価値観や働き方に適応する力が求められます。英語力だけでなく、自発性・柔軟性・論理的思考力など、さまざまな資質が必要です。
以下のチェックリストを使って、自分が外資系に向いているかどうかをセルフ診断してみましょう。チェックの数が多いほど、外資系での適性が高いと考えられます。
外資系企業と一言でいっても、配属される部署、役職、働くチームの方針などによって、求められるスキルや働き方は異なるため、一概に向いている向いていないとはいえません。自分に合っている外資系企業を探す場合は、転職エージェントなどの専門家に相談することをおすすめします。
□ 英語など語学力を活かして働きたい
□ 国境を超えたグローバルなビジネス環境で活躍したい
□ 専門性を磨く意欲がある
□ 自分の職務内容を定義できる
□ 成果や数字で評価されることに前向きに取り組める
□ 自分の成果をアピールすることに抵抗がない
□ 失敗してもすぐに切り替えて再チャレンジできる
□ 難しい課題も成長のチャンスと捉えて取り組める
□ 変化の多い環境でもストレスを感じにくい
□ 自分の意見を積極的に伝えられる
□ 相手の意見やアドバイスを素直に受け入れられる
□ 複雑なことをわかりやすく説明するのが得意
□ 指示がなくても主体的に仕事を進められる
□ 効率やスピードを重視して働ける
□将来のキャリアに明確なビジョンを持っている
外資系企業に就職するためには?
外資系企業で働くためには、自分の市場価値を知り、語学力や専門スキルを高めておくことが重要です。外資系企業に就職するためにすべきことを紹介します。
自分の市場価値を把握する
個人の市場価値とは、現在のスキル・経験・実績が、採用市場でどれほど必要とされているかという意味です。外資系企業では、職務内容に見合った即戦力となる人材を求めています。そのため、自分がどのポジションに適しているのか、どのレベルの企業で通用するのかを理解することが必要です。
市場価値を把握する方法としては、求人情報と自分のスキルを照らし合せたり、転職サイトへ登録したりする方法が挙げられます。転職サイトで企業からオファーを受けることで、自分の新たな可能性や不足点を知ることができます。
語学力や専門性を高める
外資系企業に就職するうえで、語学力は欠かせないスキルの一つです。特に英語力は、日常的なコミュニケーションから社内の会議、上司への報告、海外拠点とのやり取りなど、あらゆる場面で求められます。
また、専門性の高さも必要です。外資系はジョブ型雇用が基本のため、スペシャリストとしての能力が問われる場面が多いです。資格のようにスキルを証明できるものがあるとよいでしょう。外資系企業で求められる英語スキルについては、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:外資系企業で実際に求められる英語スキルとは?
キャリア設計や目標を明確にしておく
外資系企業では年功序列制度が少なく、主体的にキャリアを構築していく姿勢が求められます。採用面接や応募書類の段階でキャリア設計が問われる場面もあるため、将来就きたい職種やポジションを具体的に考えておきましょう。
目標を明確にすることは、企業選びの軸にもなります。外資系企業は、職務内容や期待される成果が事前に提示されることが多いため、自分の目標と照らし合わせて選ぶことができます。
外資系に強い転職エージェントに相談する
外資系企業への転職を目指す場合は、一般的な求人サイトだけでなく、外資系に特化した転職エージェントの活用をおすすめします。特に、マネージャークラスやハイクラス案件になるほど、専門エージェントの支援が欠かせません。
外資系に強いエージェントは、業界や企業ごとの採用傾向から、職務内容や求められるスキルの詳細まで把握しています。また、英語面接の対策や英文レジュメの添削など、独自のサポートが受けられる点も大きな魅力です。
よくある質問
外資系企業に関するよくある質問を紹介します。
外資系はどんな人に向いていますか?
外資系企業に向いているのは、自立心の強い人です。日系企業に比べて社員へのマネジメントの手厚さが少ない傾向があるため、自分で考えて行動できる人が評価されやすいです。また、成果主義が根付いているため、論理的思考力や課題解決能力、数字を用いて結果を示せる力が求められます。
また、自分の意見をはっきりと伝えられることや、文化の違いを受け入れられるオープンな姿勢も大切です。チームでの成果を重視しながらも、自分の役割や貢献を主張できる人が外資系で働くのに向いているでしょう。
外資系企業は激務って本当?
外資系企業は激務と言われることがあります。確かに成果主義であるため、情報収集やプレゼンテーションの準備などを自発的に行うことで、業務が増えることはあります。とくに少数精鋭で業務を回している企業では、一人当たりの担当範囲が広いです。また、海外本社とのやり取りが必要なポジションでは、時差の関係で深夜や早朝に会議が入ることもあります。
しかし、企業や職種によって業務は大きく異なり、一概に激務とはいえません。成果主義だからこそ、毎日残業するといった効率の悪い働き方は敬遠されがちなことも事実です。欧米系の外資系企業では定時退社や有給取得が推奨されており、フレックスタイム制やリモートワーク制度など柔軟な働き方が根付いている企業も少なくありません。
外資系企業の年収は高い?
最新の給与水準を見る
外資系企業は、業界や職種にもよりますが、平均年収が高めです。その理由は、即戦力となる人材を求めるためです。優秀な人材は成果を残すことができ、成果主義の外資系企業においては若くても高額なインセンティブを受け取ることができます。また、日系企業に多い退職金制度やボーナスがない場合が多いことも、外資系企業の年収が高い理由の一つです。
テクノロジー(IT)、経理・会計・財務、金融サービス、業務改革(DX)、人事、サプライチェーン(SCM)における最新の給与水準は、ロバート・ハーフの年収ガイドをご覧ください。
外資系で働くメリットとデメリットは何ですか?
外資系企業で働くメリットは、成果に応じて正当に評価されることです。評価基準が明確であり、売上や利益への貢献が昇進や給与に直結するため、やりがいを感じられる環境といえます。個人の裁量が大きく、自由度の高い働き方ができることも大きな魅力です。
また、海外の同僚との英語でのやりとりや異文化理解を通して、グローバルなスキルや視野を広げられます。自分の専門性を高めたい、グローバル人材として成長したいという人にとっては、非常に良い環境です。
一方で、デメリットは評価が成果重視であるため、プレッシャーが大きいことです。また、教育制度が整っていない場合もあり、自分でスキルを磨き続ける必要があります。
日系グローバル企業と外資系企業の違いは?
日系グローバル企業は、日本を本拠地としながら海外に展開している企業です。働き方や組織文化は基本的に日本式がベースとなっています。年功序列や終身雇用に近い考え方が残っている企業も多くあります。
一方で、海外支社では現地の文化や慣習が取り入れられていることもあり、部署や地域によって多少の違いはありますが、日本本社の方針が全体に強く影響するのが特徴です。
対して外資系企業は、海外に本社がある企業や海外企業に買収された日本企業などであり、企業文化やマネジメントスタイルは海外の考え方に基づいています。英語を中心としたコミュニケーションが求められ、成果主義やフラットな組織構造、スピード感のある意思決定などが特徴です。
まとめ
転職のご相談はこちら
外資系企業に向いているのは、自立心があり、成果にこだわって働ける人です。特に、数字で成果を示せる人や、専門性を磨き続けられる人は重宝されます。外資系企業へ転職を考えている場合は、外資系に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。
ロバート・ハーフは、外資系・日系グローバル企業への転職支援に特化した転職エージェンです。外資系企業への転職を検討されている方は、ぜひご利用ください。
■アドバイザー
安西 力哉 | ビジネスリレーションシップマネージャー
約5年間の投資銀行での実務経験を経て、ファイナンス領域に特化したリクルーターとしてキャリアを築き、現在はロバート・ハーフのストラテジックアカウントチームに所属。人材業界で7年以上の経験を有し、クライアントと社内チームの橋渡し役として、採用課題のヒアリングから最適な人材ソリューションの提案までを一貫して担っている。