労働人口の減少や若者の価値観の変化などが原因で、人手不足は悪化しています。人手不足の状態が続くと、離職率の悪化や競争率の低下につながるため、対策が必要です。本記事では、人手不足の原因を業界別で紹介し、企業が取るべき対策や人材確保のポイントを解説します。
人手不足が止まらない日本の現状
日本では、人手不足が長期化し深刻さを増しています。株式会社帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2025年7月)」では、正社員が不足している企業が50.8%です。過去最高の53.9%(2018年11月)に迫る数値で、依然として高水準が続いています。
正規・非正規雇用労働者の数は、2002年より増えているものの、各産業で慢性的な人手不足が止まりません。
求人難による採用停滞や人件費の高騰などが重なって、人手不足を理由とする倒産も増加しており、企業経営に大きな負担となっているのが現状です。
参考元:株式会社帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2025年7月)
中小企業・地方起業ほど人手不足が深刻
中小企業や地方企業では、人手不足がより深刻な課題となっています。人件費の高騰は経営を圧迫しやすく、十分な待遇を提示しにくい企業は採用競争で不利になりがちです。また、若年層は条件のよい都市部へ流れる傾向があり、地方では若手人材の確保が難しい状態が続いています。
人材の定着に向けた育成の体制づくりも遅れがちで、教育まで手が回らない企業も少なくありません。特に小規模企業では雇用者数の減少が進み、労働力は大企業や中規模企業へ集中する傾向が強まっています。
人手不足の原因・背景
日本で人手不足が深刻化している原因は一つではなく、複数の要因が関連しています。人手不足の原因や背景について、具体的に紹介します。
労働人口の減少と高齢化
令和7年版高齢社会白書(内閣府)によると、65歳以上人口は3,624万人に達し、高齢化率は29.3%と報告されています。
高齢者の割合が高まる一方で、生産年齢人口(15〜64歳)は減少が続いており、企業が働き手を確保するのは年々厳しくなっています。今後も生産年齢人口の縮小が見込まれるため、労働力不足は長期的な課題として続くと予測されるでしょう。
出典:令和7年版高齢社会白書|内閣府
若者の価値観・キャリア観の変化
近年は、給与だけでなく働きがい、ワークライフバランス、柔軟な働き方を重視する傾向が強まっています。長時間労働を避ける人が増え、希望条件と合わない企業からは迷うことなく転職する人も少なくありません。
また、転職への抵抗感も薄れ、副業やフリーランス、リモートワークなどを選ぶ人も増えています。若者が求める働き方と企業が提示する環境にギャップがあると、採用が難しくなるだけでなく、定着率にも影響を及ぼします。
職業の需給のギャップ
IT業界や物流業・運輸業のように市場拡大が続く分野では、若手人材の流入が追いつかず、慢性的な人手不足が長年続いています。建設業や運輸業などでは業務量が多く、「忙しいのに人が足りない」というイメージが強まり、長時間労働への不安から応募が集まりにくい状況も見られます。
一方で、事務職や販売職などは人気が高く、人材が比較的多く集まりやすい職業です。また、優秀な人材は企業間で取り合いになり、待遇面で差が出やすい中小企業ほど採用競争で不利になりがちです。このように、職業ごとの需給バランスの偏りが拡大し、必要な人材を確保できない状況が長期化しています。
技術革新とスキルギャップの拡大
技術革新のスピードが加速するなか、企業が求めるスキルと現場の人材が持つスキルとの間に大きな差が生まれています。特に AI、クラウド、データ分析などの領域では、「必要な技術を使いこなせる人材が足りない」という課題が多くの組織で顕在化しているのが現状です。
Linux Foundationの「2025年 日本の技術系人材の現状レポート」では、クラウドやAIなどの主要技術分野で70%以上の組織が人材不足を抱えていると示されています。また、一般的なAIスキルでさえ組織の40%未満しか保有していないという結果も報告されています。
人手不足が深刻な業界
厚生労働省は、労働者の過不足状況を示す指標として「正社員等労働者過不足判断D.I.※1」を用いています。D.I.数値が高いほど、人手不足と感じる事業所が多いことを意味します。人手不足が深刻な業界を見ていきましょう。
※1 D.I.は、調査時点で「不足(やや不足・大いに不足)」と回答した事業所の割合から、「過剰(やや過剰・大いに過剰)」と回答した割合を差し引いた数値です。
参考元:厚生労働省|労働経済動向調査(令和7年8月)の概況
産業
| 不足
| 過剰
| D.I.
|
建設業
| 61
| 2
| 59
|
情報通信業
| 58
| 1
| 57
|
運輸業、郵便業
| 58
| 2
| 56
|
学術研究、専門・技術サービス業
| 57
| 1
| 56
|
医療、福祉
| 58
| 4
| 54
|
サービス業
(他に分類されないもの)
| 52
| 1
| 51
|
不動産業、物品賃貸業
| 47
| 1
| 46
|
製造業
| 48
| 4
| 44
|
宿泊業、飲食サービス業
| 42
| 1
| 41
|
金融業、保険業
| 38
| 1
| 37
|
生活関連サービス業、娯楽業
| 38
| 3
| 35
|
卸売業、小売業
| 30
| 3
| 27
|
産業平均
| 49
| 3
| 46
|
物流業・運輸業
運輸業・郵便業の「正社員等労働者過不足判断D.I.」は56と、人手不足が深刻な状態です。EC市場の拡大によって荷物量は増え続ける一方で、ドライバーの減少が進み、需要と供給のバランスが大きく崩れています。
業界全体に大きな影響を与えているのが2024年問題です。時間外労働の上限規制によってドライバーの働ける時間が制限され、十分な対策が施されなければ、2030年度には輸送能力が約34%(9億トン相当)不足すると予測されています。
また、現役ドライバーの高齢化も避けられない課題です。年齢層の偏りが進む中で若年層の参入が伸びず、増加する輸送需要に担い手が追いついていません。
参考元:国土交通省|物流の2024年問題について
医療・福祉
「正社員等労働者過不足判断D.I.」の医療・福祉の数字54からも、人手不足の現状が窺えます。第9期介護保険事業計画に基づく都道府県の推計では、介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人に達する見込みです。一方で、2022年度(令和4年度)の介護職員数は約215万人にとどまり、将来の需要に対して大きな不足が見込まれています。
政府は介護職員の処遇改善や外国人材の受け入れ環境整備などを進めていますが、業務負担の大きさや離職率の高さが課題となり、人材が十分に定着しない状況が続いています。
参考元:厚生労働省|第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
建設業
「正社員等労働者過不足判断D.I.」では、建設業が59と業界で最も高い数値になっています。2024年の建設業就業者数は約477万人で、1997年と比べると約30%の減少です。年齢構成を見ると、55歳以上が36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%にとどまり、若者の割合が極めて低い状態が続いています。
また、60歳以上の技能者が全体の約4分の1(25.8%)を占めており、今後10年ほどで多くの熟練職人が引退する見込みです。そのため、技術継承の面でも大きな課題を抱える業界といえます。
政府は人材確保に向けて、労働市場の実勢価格を反映した職種別の労務単価を全国47都道府県で設定し、賃金水準の改善を進めています。また、女性の定着・若者の入職を促進する施策も強化されています。
参考元:国土交通省|最近の建設産業行政について
人手不足が企業に与える影響
人手不足は、従業員の負担増による満足度の低下や離職率の上昇だけでなく、人材育成の遅れやスキル継承の停滞にもつながります。人手不足が企業に与える影響について詳しく紹介します。
従業員満足度・離職率の悪化
人手不足が続くと、従業員の負担は確実に増えていきます。業務量や残業時間が増えれば、心身の疲労が蓄積しやすく、仕事への意欲も下がりがちです。休暇が取りにくい状況が続くとストレスもたまりやすく、より良い環境を求めて転職する動きが強まり、離職率の上昇につながります。
また、離職によって人員が減れば、残った従業員の負担が一層重くなるため、悪循環に陥るリスクも高まります。このような状況が続けば、職場環境の悪化から組織全体の士気低下にもつながり、企業の維持・成長にも大きな影響を及ぼしかねません。
人材育成やスキル開発の停滞
人手が不足すると、企業は目の前の業務をこなすことに追われ、人材育成に割ける時間やリソースが縮小しがちです。教育担当者の業務負担が増えることで、研修の質や頻度が下がるケースもあり、社員のスキル習得にも影響します。新人や若手が十分に育たなければ、組織全体のスキルの水準が停滞し、将来的な生産性の向上も期待しづらくなります。
生産力・競争力の低下
人手不足が続くと、生産や製造に関わる部門へ十分なリソースを割けなくなります。日々のルーティン業務だけで手いっぱいになると、生産量を増やす余裕がなくなり、事業の拡大も困難です。また、業務改善や新規事業の検討に時間をかけられなくなるため、市場の変化にスピーディーに対応できなくなります。その結果、競合他社が人材確保やDX化を進める中で取り残されてしまいかねません。
事業縮小・倒産のリスク
人手不足が深刻化すると、最終的に事業の縮小や倒産につながるリスクが高まります。東京商工リサーチの調査では、2025年9月に「人手不足」が要因となった倒産が月間最多の46件に達し、2025年1〜9月の累計でも過去最多の285件を記録しました。
人員が不足した状態が続くと、受注に対応できず売上が上がりません。高騰する人件費も利益を圧迫し、事業縮小や倒産のリスクが高くなります。
参考元:東京商工リサーチ
人手不足の企業が取り組むべき対策
企業は従来の働き方や採用方法を見直し、組織全体で持続的に働ける環境を整える必要があります。また、採用ターゲットを広げたり、外部リソースや専門の人材紹介サービスを活用したりすることで、人材確保の選択肢を広げられます。
企業の組織体制や業務の再編成
新規雇用する前に行いたいのが、組織体制や業務プロセスの見直しです。人材を確保する目的は、経営課題を解決し組織を強化することです。課題が整理されないまま新しい人材を採用しても、早期離職につながる恐れがあります。そのため、まずは限られた人員でも成果を出せる仕組みを整えることが欠かせません。
例えば、部署間で業務量に偏りがある場合は配置転換でバランスを調整する必要があります。また、業務を棚卸しして、優先度の低い作業や属人化した仕事を削減する取り組みも有効です。
DX化・AI活用による業務効率化
人材不足を補うには、DX化やAIを取り入れて業務効率を高める取り組みが有効です。これまで手作業で行っていた業務をデジタル化したり、紙の書類を電子化したりすれば、作業時間の短縮だけでなくコスト削減にもつながります。人的ミスの防止に役立つのも大きなメリットです。
また、効率化によって従業員が本来の業務に集中できるようになれば、顧客対応の質が上がり、サービス全体の品質向上が見込めます。
働き方改革と待遇改善
人手不足に対応するには、働きやすい環境づくりと待遇改善が欠かせません。労働時間の見直しや柔軟な勤務制度の導入など、従業員が負担を感じにくい環境を整えることが重要です。
例としては、テレワークやフレックスタイム制の導入、有休取得を促す仕組みづくりなどが挙げられます。こうした取り組みが進めば、働きやすさが向上し、定着率アップにもつながります。
また、給与や福利厚生など待遇の見直しも有効です。競合他社よりも魅力のある条件を提示できれば、応募者の増加、さらには人材確保の可能性が高まります。
幅広い採用ターゲットでの人材確保
若手や即戦力の正社員だけに依存しない採用戦略も必要です。シニア人材や外国人労働者、契約社員・パートタイムなど、多様な働き手を受け入れる体制を整えれば、人材確保の選択肢を広げられます。
ただし、採用の幅を広げる際は、求める人物像を明確にすることが欠かせません。入社後のミスマッチが起きれば早期離職につながり、再び採用コストがかかる恐れがあります。求めるスキルや働き方のイメージを整理し、応募者とのギャップを減らすと、定着しやすい人材の採用につながります。
アウトソーシングの活用
専門性の高い業務や時間のかかる作業を外部へ委託すれば、社内の従業員がコア業務に集中しやすくなり、生産性の向上が期待できます。例えば、経理・労務・コールセンター業務のほか、デザイン制作やシステム運用などはアウトソーシングしやすい分野です。また、繁忙期だけ外部リソースを取り入れるなど、状況に応じて柔軟に活用すると、必要なタイミングに必要な戦力を確保できます。
専門的な人材紹介会社の活用
人材確保が難しい場合は、専門性を持つ人材紹介会社を活用するのが有効です。人材紹介のメリットは、通常の採用活動だけでは出会えない人材にアプローチでき、採用の幅を広げられることです。特に経験者採用や専門職の採用では、適切なスキルを持つ候補者を短期間で紹介してもらうことが期待できます。
また、採用要件の整理や面接設計のアドバイスを受けられる場合もあり、ミスマッチの防止にもつながります。
関連記事:人材紹介とは?仕組みや手数料、採用の流れと注意点を詳しく解説
人手不足解消に取り組む企業事例
人手不足の影響が広がる中で、採用手法の見直しや働き方改革、教育体制の強化など、さまざまな角度から課題解決に向けたアプローチが行われています。こうした企業事例は、人手不足対策を行う際の参考になるでしょう。
労働環境の改善と外国人材の活用による人手不足解消の事例
最初に紹介するのは、情報システム業界のT社が実践した、労働環境の見直しと外国人材の活用に関する取り組みです。
【取り組む前(きっかけ)】
慢性的な人手不足が続いていた
女性社員が結婚・出産を機に離職するケースがあり、定着が課題だった
海外展開を視野に入れていた時期、中国人留学生をアルバイト採用したことをきっかけに外国人材の優秀さを実感
【取り組み内容】
短時間正社員制度を導入し、子どもの看病など突発的な休暇にも柔軟に対応
外国人社員向けに寮を用意し、生活面のサポートも実施
国籍・性別で区別しない公平な給与体系・評価制度を採用
【取り組み後の効果】
女性社員が子育てと仕事を両立しやすくなり、離職率が低下
限られた時間で成果を上げる文化が根付き、業務効率が向上
外国人社員の正確でスピーディーな業務姿勢が良い刺激となり、社内全体のスキルも向上
外国人材が定着し、海外取引における信頼性向上にも寄与
T社では、女性や外国人など多様な人材が働きやすい環境を整えて人材不足の解消を目指しました。新しい人材を積極的に増やすというより、在籍している社員の働き方を改善し、生産性を高めることを中心に取り組んだ点が特徴です。
DX化とエンジニア採用で生産体制を刷新した事例
次に紹介するのは、製造業(精密機械部品の試作・加工)のH社が取り組んだ、生産体制改革の事例です。
【取り組む前(きっかけ)】
3K環境から脱却し、利益の出る体制を構築するという課題があった
主要事業だった自動車関連の下請け量産業務をやめ、新しい生産モデルへの転換を図っていた
DX化や新しい生産モデル構築に携わる人材(特にエンジニア)が不足していた
【取り組み内容】
最新設備の導入や工場環境の改善により、働きやすい職場づくりを推進
加工ノウハウをデータ化して標準化し、工程管理や情報共有をデジタル化
システムエンジニアの継続採用と定期的な入れ替えにより、技術革新が続く体制を構築
【取り組み後の効果】
多品種小ロット生産や24時間無人加工を実現し、生産性が大幅に向上
ルーチン作業を機械化し、社員が知的業務に集中できる体制へ転換
熟練者の暗黙知がデータ化され、若手でも高い品質の加工が可能に
下請け依存から脱却し、若手が定着しやすい企業へ変化
H社は、DX化とエンジニア採用を組み合わせることで、旧来の量産型モデルから脱却し、生産性と働きやすさを両立させました。
シニア人材の採用と育成で組織を再構築した事例
続いて、電気機械器具の製造を行うK社が実践した、シニア人材の積極的な雇用と活用による組織改革の事例を紹介します。
【取り組む前(きっかけ)】
社員の意識調査により、社長のトップダウン型の経営手法に不満があることが判明
社内で議論を重ね、「人を活かす会社」へ転換する方針を決定
品質保証を担う人材が不足しており、経験者の確保が課題だった
【取り組み内容】
大手企業を退職した経験豊富なシニア人材を採用し、品質保証や改善活動を強化
前職で工場長クラスの経験を持つシニアを「塾長」とし、若手向けの社内塾を開講
年齢や経歴を問わず、個々の長所を伸ばして成功体験を積ませる育成方針へ転換
【取り組み後の効果】
シニアが中心となって社内改革が進み、「塾長」入社の翌年頃から増益へ転じた
売上高・営業利益ともに3期連続で増加し、業績が安定
人材育成が進んで組織全体が活性化し、多様な人材が活躍できる職場へ変化
K社では、人を大切にし、多様な人材一人ひとりの適性とコンディションを見極めるマネジメントを徹底しました。その取り組みの一つとしてシニア人材の採用と活用を進めたことで、組織力の強化と業績回復を実現しています。
採用で人材獲得がうまくいかない要因
採用で人材獲得がうまくいかない要因は、以下の通りです。
採用活動をしても応募が少ない
応募はあるが、求めるスキル・能力に満たない
応募はあるが、より良い条件の他社へ流れる
採用しても短期間で退職してしまう
多くの業界で採用競争が激しくなっており、企業が求めるスキル水準も高まっています。そのため、応募があっても条件に満たないケースが少なくありません。また、採用に成功したとしても、入社後に感じるギャップや教育制度の不備によって早期離職へつながる可能性があります。
近年は、働き方や待遇への関心が高まっているため、企業側の環境整備が不十分だと応募者がより良い条件の他社へ流れることもあります。
参考元:内閣府|令和6年度年次経済財政報告
給与水準・待遇面の見直し
人材を確保するには、まず給与水準や待遇面を見直すことが欠かせません。採用市場では、多くの求職者が複数の企業を比較しており、給与・福利厚生・働きやすさといった条件の差が応募の決め手になりやすいからです。特に同業他社と比べて給与が低い場合、応募が集まりにくく、採用競争で不利になります。
また、給与だけでなく、リモートワークの導入、柔軟な勤務時間、子育て支援制度、スキルアップ支援などの制度づくりも重要です。待遇改善を進めると、応募者から選ばれやすくなるだけでなく、入社後の満足度や定着率の向上にもつながります。
求めるスキル条件や人物像の明確化
求めるスキルや人物像を整理し、適切な基準を設定することも重要です。理想像が明確であっても、条件が細かすぎたり範囲が狭すぎたりすると、応募者が限られてしまいます。
そのため、求める条件を「必須要素」と「歓迎要素」に分けて整理し、本当に必要な要素を見極めることが大切です。すべてを満たす人材を求めるのではなく、ポテンシャルを重視し、入社後の育成を前提とした採用に切り替えると応募者の幅が広がります。
採用後の定着率改善
採用した人材に長く働いてもらうためには、入社前後のサポート体制を充実させることが不可欠です。まず、内定時には待遇や働き方に関する認識を丁寧にすり合わせる時間を設けましょう。中途採用者は前職より良い条件を求めて転職活動を進めているケースが多く、給与・休日・働き方などの認識にずれがあると、入社後の不満につながります。
また、入社直後は環境に慣れるまで不安が大きく、人間関係や社内ルールに戸惑いがちな時期です。そこで、定期的な面談やメンター制度を導入し、困りごとを早めに把握できる仕組みを整えると安心して働けるようになります。
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よくある質問
人手不足に関するよくある質問を紹介します。
人手不足はいつまで続く?
人手不足は景気要因による一時的なものではなく、少子高齢化や生産年齢人口の減少といった構造的な問題が背景にあります。そのため、近い将来に急速に解消される見込みは薄く、今後10年前後は厳しい状況が続くと考えられています。
企業が必要な人材を確保するには、自然に応募が増えるのを待つという姿勢では通用しません。採用戦略の見直しや業務のデジタル化、アウトソーシングの活用などを組み合わせて、生産性を高める取り組みを早めに進めることが求められます。
人手不足の企業はなぜ従業員を雇わないのか?
人手不足を感じていても、すぐに採用へ動けない企業は少なくありません。背景には、採用コストの上昇が大きな負担になり、求人広告や面接対応にかかる時間・費用を確保しにくいことがあります。また、採用に成功しても早期離職のリスクがあり、採用してもすぐ辞めてしまうのではないかという不安から慎重になるケースも見られます。
さらに、求めるスキルを備えた即戦力人材の応募が少ないことや、採用担当者の業務量が増えることも要因の一つです。このような状況に対しては、人材紹介会社を活用して採用プロセスを効率化し、候補者を絞り込む方法が有効です。
若者の働き方の変化は、採用にどう影響している?
若手層の働き方に対する価値観は大きく変化しており、給与や安定性が必ずしも応募の決め手にはならない状況です。近年は「柔軟に働ける環境」「成長につながる経験」「自分に合う企業文化」など、働きがいに直結する要素を重視する傾向が強まっています。
そのため、従来型の条件提示だけでは魅力を感じてもらえず、応募が集まりにくいケースが増えています。企業が採用力を高めるには、柔軟な勤務制度の導入や、キャリア形成の支援、働きやすい職場づくりなど、若者の価値観に沿った環境整備が重要です。
中小企業が人手不足を解決するためのポイントは?
中小企業は、大手企業と比べて知名度や待遇面で不利になりやすいため、自社で働く魅力を分かりやすく示すことが重要です。たとえば、職場の柔軟性、意思決定のスピード、経営層との距離の近さなどは、中小企業ならではの強みとしてアピールできます。
また、採用チャネルを限定せず、複数の方法で候補者にアプローチするのも有効です。求人媒体・SNS・リファラル採用などを組み合わせるほか、専門の人材紹介会社と連携すると適材に出会える機会が広がります。
人材紹介会社を選ぶときのポイントは?
人材紹介会社を選ぶ際は、まず自社の業界や職種に精通しているかどうかを確認することが重要です。業界特有のスキルや経験を理解している会社ほど、候補者の選定も円滑に進みます。また、紹介までのスピード感や、候補者の質、マッチング精度も重視すべき判断基準です。
さらに、担当者が企業の課題や採用背景の理解に努め、適切な提案をしてくれるかどうかも大切なポイントです。信頼できるパートナーを選ぶことで、採用活動全体の効率が高まります。
ロバート・ハーフは、専門性の高い人材ネットワークを持ち、正社員・契約社員・派遣など幅広い雇用形態に対応しています。即戦力となる候補者を求める企業にとって、ニーズに合わせた柔軟なサポートが期待できるサービスです。
まとめ
採用のご相談はこちら
人手不足は、生産年齢人口の減少や職業需要のギャップなどの原因により、今後もしばらく続くと見込まれます。スキルや条件に合う人材が見つかりにくく、競争が激しくなる採用市場で、企業は従来通りの採用活動を行っても十分な人材を確保できません。
そのため、採用力の強化と働きやすい環境づくりを同時に進めることが不可欠です。採用がうまく進まない場合は、人材紹介会社の活用が有効です。
ロバート・ハーフは、外資系・日系グローバル企業への転職支援実績が豊富にあります。語学力や専門性に強いプロフェッショナル人材の紹介を行っており、企業の採用課題に応じた柔軟な提案が可能です。採用活動のことでお困りでしたら、ぜひご相談ください。
■アドバイザー
安西 力哉 | ビジネスリレーションシップマネージャー
約5年間の投資銀行での実務経験を経て、金融領域に特化したリクルーターとしてキャリアを築き、現在はロバート・ハーフのストラテジックアカウントチームに所属。人材業界で7年以上の経験を有し、クライアントと社内チームの橋渡し役として、採用課題のヒアリングから最適な人材ソリューションの提案までを一貫して担っている。 人生の半分をカリフォルニア、半分を日本で過ごした経験から、日英のバイリンガルとして両文化を深く理解し、国内外のクライアントの多様なニーズに応える、きめ細やかなサービスを提供している。 日本語、英語、どちらでもお気軽にご連絡ください。