年収1000万円を目指すには、高い専門性を求められる領域や、ITや金融業界など平均年収の高い企業へ就職・転職するのがおすすめです。年収1000万円を狙うためには、専門性や特定の資格が必要である上、高収入だけあって責任やプレッシャーが伴い、常に自己研鑽が求められます。
本記事では、年収1000万円を稼げる職業・業界、達成する方法について紹介します。
年収1000万円を狙える職業の特徴は?
年収1000万円を狙える職業には、以下のような特徴があります。
高い専門性や特定の資格が必要
成長性の高い領域で活躍する
業績や成果に応じて報酬が決まる
年収1000万円を狙える職業の多くは、高い専門スキル・知識が求められます。例えば、公認会計士や弁護士といった職種は難関資格が必要です。
また、業績や成果に応じて報酬が決まる成果主義の仕事では、実績を残せば、勤続年数や年齢に左右されずに高年収を狙えます。これは、IT業界など急速に成長をしている業界や、不動産や保険、証券といった一件あたりの取引額が大きい分野でも言えることです。
高い専門性を要し、業務の責任が重く、組織や社会への貢献度が高い職業ほど、高い年収を実現しやすいのが特徴です。
関連記事:年収800万円を稼げる職業・業界は?難易度や目指すためのアドバイス
年収1000万円を稼ぐ人の割合
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本全体の年間の平均給与(正社員)は530万円で、年収1000万円超えは全体の約5.5%です。男女別に見ると、年間の平均給与(正社員)は男性で594万円、女性で413万円で、1000万円を超える女性は約1.4%と限られていることがわかります。
参考元:国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査
年収1000万円を目指せる職業
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、給与と賞与を合わせた平均年収が最も高い職業は「航空機操縦士」で、1,697万円でした。年収1000万円を目指せる職業は、以下の表の通りです。
この調査では、平均年収が1000万円を超える職業は、国家資格などが必要な職業が目立ちますが、年収800万円を目指す上で、必ずしも国家資格が必要というわけではありません。
順位
| 職業
| 平均年収
|
1位
| 航空機操縦士
| 1,697万円
|
2位
| 医師
| 1,338万円
|
3位
| 歯科医師
| 1,136万円
|
4位
| 大学教授
| 1,093万円
|
5位
| 管理的職業従事者
| 917万円
|
※千円単位は切り上げ
参考元:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査をもとに作成
国家資格なしでも年収1000万円を狙える業界・専門職
ロバート・ハーフの調査から、国家資格が必要なくても年収1000万円を狙える業界・専門職があることが分かります。なかでもおすすめなのが、IT業界と金融業界です。それぞれの職業や平均年収を紹介します。
IT業界の職業例
IT業界の専門職で1000万円を目指せる職業は多くありますが、その一例を紹介します。データは時期により異なりますので、最新のデータを確認してください。
IT業界では、平均的な経験値でも、年収1000万円を狙える職業があります。年収ガイド(テクノロジー(IT)分野)では、テクノロジー(IT)分野で需要が高い職種やスキル、資格などを紹介しています。また、職種の適正な給与相場も紹介していますので、気になる職種を検索してみてください。
職業
| 経験値が浅い場合
| 平均的な経験値の場合
| 優れた経験値がある場合
|
DevOps/SREエンジニア
| 900万円
| 1,050万円
| 1,250万円
|
AIエンジニア
| 800万円
| 1,000万円
| 1,200万円
|
シニアデータサイエンティスト
| 750万円
| 1,050万円
| 1,350万円
|
セキュリティ テックリード/情報セキュリティマネージャー
| 1,500万円
| 1,800万円
| 2,100万円
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開発/インフラ責任者
| 1,250万円
| 1,550万円
| 1,850万円
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CTO(最高技術責任者・新テクノロジー)/エンジニアリング VP
| 1,500万円
| 1,800万円
| 2,000万円
|
金融業界の職業例
次に金融業界の職業や平均年収を紹介します。
金融業界はマネージャーやディレクターなど役職によって大きく差が出るのが特徴です。金融業界の詳しい給与相場や市場動向については、年収ガイド(金融サービス分野)を確認してください。
具体的な仕事内容や年収のイメージをつかむには、実際の求人情報を確認するのが一番です。気になる職種があれば、まずは求人をチェックしてみましょう。
職業
| 経験値が浅い場合
| 平均的な経験値の場合
| 優れた経験値がある場合
|
コンプライアンスSVP/ディレクター
| 1,900万円
| 2,100万円
| 2,500万円
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マーケットリスクSVP/ディレクター
| 2,000万円
| 2,200万円
| 2,400万円
|
内部監査アソシエイト/マネージャー/AVP
| 900万円
| 950万円
| 1,150万円
|
税務SVP/ディレクター
| 1,900万円
| 2,000万円
| 2,150万円
|
ファイナンシャルコントロールSVP/ディレクター
| 1,900万円
| 2,150万円
| 2,450万円
|
金融分野の職業例
次に金融分野の職業例を紹介します。金融分野はアソシエイトやマネージャークラスに昇進すれば800万円以上を狙える点が特徴です。マネージャーになるのは入社5~10年目が目安です。年収ガイド(金融サービス分野)も参考にしてください。
職業
| 経験値が浅い場合
| 平均的な経験値の場合
| 優れた経験値がある場合
|
コンプライアンスアナリスト
| 600万円
| 750万円
| 800万円
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コンプライアンスアソシエイト/マネージャー/AVP
| 850万円
| 950万円
| 1,150万円
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クレジットリスクアソシエイト/マネージャー/AVP
| 800万円
| 1,050万円
| 1,300万円
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ファイナンシャルコントロール アソシエイト/マネージャー/AVP
| 850万円
| 1,100万円
| 1,350万円
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難関資格・国家資格の取得でキャリアを広げる
税理士、公認会計士などの国家資格が必要な職業は、年収1000万円を狙いやすい代表例です。国家資格の取得には長い学習期間や多くの費用が必要ですが、専門的な知識を証明できるため社会的な信用も高まり、企業からの評価も大きく上がります。その結果、高収入につながるケースが多いです。
国家資格に限らず、CFA®(Chartered Financial Analyst)やUSCPA(米国公認会計士)などの難関資格、語学力が証明できるものを取得することでも同様の評価を得られます。これらの資格を取得することで転職や独立の選択肢が広がるため、長期的なキャリア戦略にも役立ちます。
豊富な実務経験で専門スキルを磨く
年収1000万円を目指すには、豊富な実務経験を積むことが重要です。とくに中途採用では即戦力が求められるため、これまでの成果が重要視されます。たとえば、グローバルなプロジェクトをリードした経験や、大規模なシステム開発を成功に導いた実績などは高く評価されやすいです。評価されれば昇格し、高収入につながるでしょう。
平均年収の高い業界や企業へ転職する
現職での年収アップが見込めない場合は、平均年収の高い業界や企業へ転職することも方法の一つです。企業によって年収に差があり、とくに中小企業よりも大企業のほうが年収が高い傾向があります。転職を成功させるには、専門スキルや豊富な実務経験が必要です。企業研究をしっかり行い、安定した業界や将来性のある企業を見極めることが重要です。
平均年収が高い業界・企業を狙う
企業研究をして年収1000万円を目指せる企業を探すのも一つの方法です。求人情報などから企業の平均年収を確認し、入社後に年収1000万円を目指せるか考えてみましょう。たとえば、一般的には中小企業よりも大企業のほうが年収が高い傾向があります。また、ITや金融業界、外資系企業も高収入の可能性が大きいです。
成果報酬型(インセンティブ重視)の職種を選ぶ
成果報酬型の職種は、実績を作れば若いうちから高年収を狙うことが可能です。営業職や金融、コンサルタントなどでは、案件の規模や目標の達成率によって報酬が大きく変動します。安定して成果を出せる人であれば、年収1000万円も十分に実現できます。一方で、高い目標達成が求められプレッシャーやストレスを感じやすいため、自分に合っているかをよく見極めたうえ判断しましょう。
現職での昇進・昇格を勝ち取る
現職で管理職ポジションへの昇進や昇給を目指すのも、年収1000万円を目指す方法の一つです。とくに金融業界は役職によって年収にかなり差がつきます。チームリーダーやマネージャーなどの実績は転職活動でも強みになり、さらなるキャリアアップがしやすくなります。
起業や独立で高収入を実現する
起業や独立を選ぶことで、年収1000万円以上を目指す道も開けます。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が公表した「フリーランス白書2025」によると、フリーランスのうち年収1000万円以上の人は8.6%にのぼります。
近年はフリーランスとして働く人が増加しており、それに伴ってフリーランスに仕事を依頼する企業も拡大傾向です。営業力や専門的なスキルを持つ人にとっては、高収入を実現するチャンスが広がっています。
参考元:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会|フリーランス白書2025
転職エージェントを活用してキャリア戦略を練る
レジュメを提出して、相談する
自分のキャリアや経験を踏まえて、どのようにステップアップすれば年収1000万円に近づけるのか分からない場合は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントは、人材需要や業界動向、平均年収のトレンドを把握しているため、適切なアドバイスを受けられます。
また非公開求人や、高収入ポジションの紹介を受けられる可能性もあり、効率的に転職活動を進められます。
20代・30代で年収1000万円を達成するためには?
20代・30代で年収1000万円を実現するには、金融や外資コンサル、ITなど、実績次第で若いうちから高収入を目指せる業界に進むのも良いでしょう。
また、IT業界の技術職に進むのも一つの方法です。昇格によってではなく、専門スキルを磨くことによって年収アップを図りたい人には向いているでしょう。AIやクラウド、セキュリティ関連など、昨今需要が高まっている領域の資格をとっておくと有利になります。
近年は、グローバル人材の需要も高くなっています。外資系企業ではなくても、日本国内でも外国国籍の人と働くことが増えているため、国際的な感覚や英語力といったスキルで他者との差別化を図ることも大切です。
年収1000万円を超える職業に就く際の注意点
年収1000万円を超える職業に就く際の注意点を紹介します。
責任やプレッシャーも大きい
年収1000万円を超える職業は、その分だけ大きな責任やプレッシャーを伴います。リーダーとして意思決定を求められたり、高い専門性が必要なチャレンジングなプロジェクトを率いる場面も少なくありません。特に管理職やマネジメント層は会社の業績を左右する立場にあるため、日々の判断や行動に大きな責任が求められます。
常に自己研鑽が求められる
年収1000万円を超える職業では、成果や責任に応えるために、常に自己研鑽が求められます。ITや金融業界では、技術の進化が速く常に最新のスキルや情報を学び続けることが必要です。求められる成果が高い分、自己研鑽を怠ってしまうと自分の市場価値が低下する恐れがあります。
額面年収と手取りの差を理解する
年収1000万円を達成したとしても、額面と手取りには差があることを理解しておくことが重要です。年収1000万円を超えると、所得税や住民税、社会保険料などの税負担が大きくなるため、実際に手元に入る金額は約720万円となります。税額は扶養家族の有無やボーナスの額などによっても変動しますが、額面通りの金額が丸々手に入るわけではないので注意しましょう。
地方に住みながら年収1000万円を目指す方法は?
地方在住でも高収入は可能です。リモートワークが可能な企業や職業についたり、ITやWEBスキルを活かしてフリーランスとして活動したりするのもおすすめです。
ロバート・ハーフでは、リモートワーク可能な外資系企業や、ITスペシャリスト向けのプロジェクト単位の契約求人も取り扱っています。
転職で年収アップを狙う最適なタイミングは?
実績を上げて自分の市場価値が高まったタイミングや、業界全体で人材需要が増えているときは、年収交渉がしやすく最適な時期です。また現職でスキルやキャリアの伸びに限界を感じたときも転職を検討するチャンスです。迷った場合は、まず転職エージェントのカウンセリングを受けると、自分の適正年収やキャリアについて具体的なアドバイスをもらえます。
まとめ
転職のご相談はこちら
年収1000万円を目指すには、高度な専門スキルや豊富な実務経験を積むことや、転職エージェントを活用して戦略的にキャリアを考えることが重要です。とくに成果主義の企業であれば、実力次第で早期に高年収を狙えます。
ロバート・ハーフは、外資系・日系グローバル企業への転職支援に特化した転職エージェントです。外資系企業への転職を検討されている方は、ぜひご利用ください。
■アドバイザー
安西 力哉 | ビジネスリレーションシップマネージャー
約5年間の投資銀行での実務経験を経て、金融領域に特化したリクルーターとしてキャリアを築き、現在はロバート・ハーフのストラテジックアカウントチームに所属。人材業界で7年以上の経験を有し、クライアントと社内チームの橋渡し役として、採用課題のヒアリングから最適な人材ソリューションの提案までを一貫して担っている。
人生の半分をカリフォルニア、半分を日本で過ごした経験から、日英のバイリンガルとして両文化を深く理解し、国内外のクライアントの多様なニーズに応える、きめ細やかなサービスを提供している。
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