日本の年収に関する現状と課題 年収を上げるための実践的な方法3選
近年、日本では給与の伸びが鈍化しており、物価上昇による生活費の負担増加が問題になっています。なぜ日本の給与は伸び悩んでいるのか、どうすればこれらの課題を克服して年収を上げることができるのかを考察します。 日本の平均賃金は、加盟38カ国中24位
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の平均年収は加盟国38カ国中24位となっており、世界の先進国の平均年収と比べても低い水準となっていることがわかります。同じくOECDが発表した「2023年雇用見通し(Employment Outlook 2023)」によれば、日本の最低賃金の伸び率は、OECD加盟国平均の3分の1にしか達していないことが明らかになりました。生産年齢人口の減少や生産性の伸び悩みなどによってもたらされた長期的な経済停滞が大きな要因だと考えられています。
  日本人の7割が年収交渉をしたことがない
さらに、日本人の年収が伸び悩んでいる背景として、文化的な要因も指摘されています。「給料の上げ方」の著者であるデービッド・アトキンソンは、日本人が賃上げに対して受け身であり、海外では一般的な習慣である年収交渉の習慣がない点が年収の伸び悩む要因のひとつだと言及しています。リクルートワークス研究所による調査結果では、「日本人の約7割が年収交渉を試みたことがない」という結果が報告されています。一方で、昨今、売り手市場と言われている日本の労働市場では、求職者にとって、年収交渉を行う上で非常に有利な状況であるとも言えます。
  これらの課題を踏まえ、自ら積極的にアクションを起こし、年収アップを実現するための一歩を踏み出しましょう。
では、年収を上げるためには具体的にどのような方法があるのでしょうか?年収アップに向けた具体的なステップと戦略を詳しく紹介します。   1. 現在の会社で年収交渉を行う まず、年収を上げるために一番に検討すべきことは、現職での年収交渉です。年収交渉を成功させるためには、下記ステップで事前の準備を進めると良いでしょう。 給与相場を調べる: 年収交渉を行う上で、自身の業界、ポジションや経験レベルをもとに、給与の相場を理解してしておくことが重要です。事前に、給与の相場を知っておくことで、自分の給与の要求が妥当かどうかを判断し、交渉する上での説得材料になるでしょう。 適切な時期を選ぶ:年収交渉を行う際には、タイミングが非常に重要です。上司との面談は、会社の業績が好調なときや、自身が大きな成果を上げたタイミングで行うとよりスムーズに交渉を進めることができるでしょう。 成果をアピールする: なぜ自身の年収の要望が妥当であるかを説明するためには、仕事での大きな成果や自身がもっているスキルをエビデンスとともに提示することが大切です。今までの会社への貢献や成果などを、数字を添えて提示すると良いでしょう。 柔軟に交渉する姿勢を見せる:予算の制約上、すぐに昇給が難しいケースもあるかもしれません。そのような場合は、希望額だけに固執せず、その他の手当の上乗せを検討したり、希望額に近づくために具体的にどのようなことが必要なのかを明確にするなど、柔軟に交渉する姿勢も大切です。   2. 転職をする 現在の仕事で希望する昇給が難しい場合、大幅な年収アップを実現するためには、転職が有効的な手段になるでしょう。実際に、Job総研が転職による年収の増減について調査を行ったところ、回答者の58.2%が「転職で年収が上がった」と回答しています。転職活動する中で、年収アップを成功させるための具体的なステップは、下記の通りです。 履歴書を更新する: スキルや実績、経験など、転職先の企業に自分が貢献できる価値をアピールするため、魅力的な履歴書や職務経歴書を作成しましょう。 転職を希望する業界や企業について調べる:転職を考える際には、社風や評判、待遇など希望する企業や業界を徹底的に調べましょう。また、転職エージェントに登録し、求人情報の収集や履歴書の添削、面接の対策など、プロのサポートを受けこともおすすめです。 面接の準備をして自分の価値を示す: 面接では、企業のニーズに対して、自分のスキルや経験をどのように活かすことができるのかを明確に伝える必要があります。企業の成長と成功に貢献できることをきちんと説明できるように準備しましょう。この際にも、自分が受けているポジションにおける給与水準を事前にリサーチし、自分の希望年収がどのくらいなのかを明確にしておきましょう。 年収交渉を行う: 転職を希望する企業から内定をもらったタイミングで、必ず年収交渉を行いましょう。給与、福利厚生、社内での成長の機会などについて、しっかりと話し合えるよう事前に準備しておきましょう。年収交渉を自身で行いたくない場合は、転職エージェントを活用することで、プロのコンサルタントに企業との条件交渉をお願いすることも可能です。   3. 副業を始める 転職以外の選択肢として、副業を通じて、スキルアップをしながら、収入を増やすことも可能です。昨今、副業を解禁する企業も増加傾向にあり、Job総研 が行った「2023年 副業・兼業の実態調査」によると、回答者全体の22.6%が「現在副業をしている」と回答しています。また、「今後副業を始めたい」と考える人は85.5%で、70.4%が「収入アップ」を理由に挙げています。現職での副業ルールを確認した上で、副業を通じて新たなスキルを磨き、キャリア・年収アップを実現しましょう。その際には、自身の強みや興味を活かしながら、今後のキャリアップにもつながる需要が高いスキルを磨くと良いでしょう。
年収アップを実現するためには、日頃からの主体的なアクションが欠かせません。これらの戦略を活用し、年収アップやキャリアップを実現しましょう。ロバート・ハーフでは、年収アップなど希望する条件に合ったお仕事探しのサポートを行っています。キャリアや転職に関するご相談は、是非、ロバート・ハーフにお気軽にお問い合わせください。

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