大企業で働くことは、キャリアの面で天国のように思えるかもしれません。履歴書に企業のネームバリューで箔をつけることができ、大抵は非常に魅力的な職場環境のもと、業界の伝説的な人から多くを学ぶことができると期待するからです。

大企業で働くことに大きなメリットがあるということは、疑いの余地がありません。しかし、世界でも有数の大企業に就職するための競争は激しく、これらの企業は「ベストの中のベスト」を選りすぐれる立場にあります。このため、大手企業では得ることのできないメリットをもたらし得る比較的規模の小さい会社もキャリアのレーダーに留まるようにしておくことが重要です。

ブランド名か、自分の名か?

大企業に就職するということは、大抵の場合、各人の役割が明確に決められたチームの一員になることを意味します。このような環境は、ミスを犯す可能性を減らしてくれるかもしれませんが、逆の見方をすれば、個人の力を発揮する機会が少ないとも言えます。例えば、巨大企業であるアップルには約11万人の社員が在籍していますが、そのような多人数の中で目立つのは容易なことではありません。

比較的規模の小さい会社では、重役に就いている人たちをはじめ、誰もがあなたの成し遂げたことに気付いてくれるでしょう。このため、あなた自身やあなたの成果を簡単に際立たせることができます。そして、心躍るような新しいプロジェクトが開始される際には、あなたの名前がプロジェクトチームのメンバー候補のトップに挙がるでしょう。

意欲の湧く職場の雰囲気

やる気とやりがいを感じて働ける職場を社員が求めていることは、各種調査で常に報告されています。大企業であれば、そのような職場環境を提供してくれるかもしれませんが、規模の小さい会社は、規則や決まりといった形式的なしきたりが少ない分、大手よりもはるかに機動性が高いと言えます。つまり、新しい事業機会を上手く捉え、技術革新をより早く導入できるといったメリットがあるので、結果として、規模の小さな企業は極めてエキサイティングな職場になり得ます。

自分に向いた仕事かどうかを確かめるには、面接時に職場環境や社風の文化について質問することです。

仕事と私生活のバランス

9時5時の単調な生活ではなく、ワークライフバランスを求めるプロフェッショナルが増えています。あなたもその一人であるのなら、大企業での勤務が向いているかもしれません。

世界最大手企業の一部は、フレキシブルな休暇制度といった福利厚生や勤務の場所と時間を社員が選べるような制度などを整えており、他社を牽引しています。例えばグーグルは、社員に最先端のテクノロジーを提供しており、勤務時間の長さよりも何を成し遂げたかを重視することでよく知られています。このような環境は、積極性があり、意欲的で忠誠な社員を育成するのに役立ちます。しかし、この種の特典によって生産性が低下しないのであれば、規模の小さな会社でも導入しない理由はないはずです。

給与とボーナス

魅力的な額の給与は、優秀な人材を引き付けるという点で非常に効果的です。この点においては、大手企業に勤める方にメリットがあるかもしれません。大企業はしばしば資金に余裕があり、業界トップレベルの報酬体系を支えるだけの資本力があります。提示されている報酬が業界水準に見合っているかどうかを確認するには、ロバートハーフの給与ガイドをご覧ください。

給与面で必ずしも大手と肩を並べられるとは限らない規模の小さな企業でも、クリエイティブな見方をすれば、他の点で求職者のニーズを満たすことはできると言えます。研修休暇や在宅勤務などの福利厚生と、ノートパソコンやモバイル機器を提供することで、高額の給与と同じぐらいの魅力をアピールすることは可能です。

企業にとっては、優秀な人材を引き留めるためにはどうやって競合他社と一線を画すかを考えることが大切です。求職者にとって重要なのは、自分のスキルと性格に最も合った職場はどのような環境なのかを考え、大手企業に勤めることによるキャリアのメリットはあるのか、それとも自分はアットホームな雰囲気の規模の小さな会社の方がより力を発揮できるタイプなのかを見極めることです。