ビジネスの場において、代わりのきかない人材などいないとよく言われます。しかし、それはある程度までの話です。プロフェッショナルな人材は、1人ひとり独自のスキル、資質、経験を持っています。雇用主にとって「かけがえのない」人材となるには、それらすべてが会社にとって重要であり、かつ価値をもたらしている必要があります。
あなたが今の会社に必要な人材であると思っていても、雇用主が引き留めようと思うほどの働きをしているかどうか、ご自身で一度評価してみるのも良いかと思います。ただし、だからと言って、仕事量を2倍に増やしたり、あらゆるプロジェクトのリーダーになろうとしたり、同僚の誰よりも長く残業する等ということをしなければならないわけではありません。
雇用主に対する自分の価値は、日常業務を覆したり、同僚の持ち場にまで踏み込んだりしないでも、さまざまな方法で高めることができます。そのいくつかをご紹介しましょう。
「ソフト」スキルを高める
ロバートハーフが財務幹部を対象に行った調査では、今日のビジネス環境で財務・経理プロフェッショナルにとって最も価値の高い「ソフト」スキルとして、リーダーシップ(46%)、効果的なコミュニケーションスキル(35%)、優れた対人スキル(28%)が挙げられています。財務プロフェッショナルには、社内外の多くの人々とかかわることが、しばしば期待されます。
このような能力を高めるには、スピーチクラスの受講や、重要なプロジェクトで率先して責任者になる等、実力(自信)をつけていくと良いでしょう。
最新の実務スキルと能力を維持する
あなたが今の企業に採用された時点では、あなたのスキルは雇用主のニーズに満たしていたとしても、今現時点において、もしあなたが自身のポジションに応募するとしたらあなたのスキルは雇用主の求めるニーズに満たしておりますでしょうか。調査に回答した財務幹部の半数以上(59%)は、優れた実務スキルと分析スキルが今日の財務・経理プロフェッショナルには重要だと答えています。現在の求人情報を見て、企業が何を求めているかを把握しましょう。
業界の人脈を使って、同様の職種に就いている他の人がどのようなスキルと能力を有しているかを研究するのも有効です。会計その他の専門職団体も、業界のトレンドを把握し、学習の機会を得る点で有用なリソースとなります。
効率改善の方法を見つける
生産性を高めることは、どんな会社にとっても大きな貢献です。違う方法のほうが成果が上がると感じたら、ためらわずに提案してみましょう。例えば、月次報告のプロセスを合理化する方法を考えてみたことはありますか? 特定のプロジェクトに派遣社員や契約社員を活用すれば、会社に有利だと思いますか?
クラウド・ソリューションで重いファイルを共有すれば、ITリソースへの負担軽減や時間節約につながることを知っていますか?様々な角度から自身で探求し提言していきましょう。
他の社員がそれぞれの価値を高めるのを助ける
大手企業が優秀な人材を維持する方法の1つは、メンタリングや学習の機会を提供することです。あなたがベテランの財務プロフェッショナルなら、有望な若手のメンタリングや指導を申し出ると良いでしょう。専門職者の会議に出席したり、関連の研修コースを修了した後は、自分が得た知識を同僚と共有してもよいか上司に尋ねてください。
あなたのスキルや能力を会社が今後も必要とするという保証はありません。今の職種がこの先も存在するという保証すらありません。ビジネスと経済要因は、常に変化しています。それでも、離職させたことを会社が後悔するような社員になるために、できることはたくさんあります。